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その1

 '96,95全中2連覇塩田中の密着取材記録

 

 これは、中学生女子ソフトテニス界をかつてリードした柄沢先生率いる塩田中全盛時の記録です。2連覇に向けての普通の日の普通の練習の中に見えてくる秘訣があるような気がします。3年前の記録ですが、現在、新潟市宮浦中学校勤務の竹内伸先生が、夜明けから夜更けまで、終日密着取材した記録です。平成7年3月15日記録。

 

 

 ○朝練習編
 一番最初に来た生徒は5:55に来た。来る様子はテニスの道具を背負って、走ってやってきた。次々と来る生徒はすべておなじようにやって来た。コートは学校の中庭のようなところで一面と仮設ネット。 このように早く来ている生徒は選手と思われる。(8人くらい)ただし、6:10くらいに来た生徒は仲間に「遅いよ」と言われていた。全体練習が始まるまでは、ペア練習が行われていた。ペア練習はペアが自由に行う練習である。乱打は主にシュート対ロブで行われていた。ローボレーは球だしがワンバウンドした球を打ち、それを打ち返していた。スマッシュは、コートの横にひかれた補助ネットを使って行われていた。ボールは300個くらいあると思われる。

 

○朝の全体練習


 6:40開始。集合。何人かの生徒が今日の目標などを言う。(みんなに呼びかける形で行われ、これに対して全員で返事をしていた。)例:「今日は○○なので○○についてしっかりしましょう」「はい」メニューを部長が指示。(メニューは部長が自分で考えて決めている。過去の先輩がやってきた練習をもとに決めているそうだ。先生が来てからは指示を聞く)指示が終わると「おねがいします」のかけ声とともに全力で準備する。

 

○3本打ち(後衛練習) 1 
 1、シュートきみの球だし
 2、短い球
 3、長いロブ      
 球出しはサービスラインより少しうしろ「考えられる目的と効果」後衛の前後の揺さぶりに対する動きの向上。一本目のシュートに対する対応は、球もちの良い塩田の伝統を支えているものだと考えられる。「気がついたこと」 3本ミスをすると自主的にコートを全力で走る。球拾いが素早い。球拾いをしながらでも声を出している。

 

○前衛前進4本  

 1、シュートボールを返す
 2、前進してローボレー
 3、前進してボレー      
 4、チャンスボールをスマッシュ
 球出しはサービスラインより少し前

「考えられる目的と効果」
 前衛の動きの向上。
 前衛が攻められやすい点と重要なスマッシュの強化。シュートに対する対応強化。

「気がついたこと」 

スマッシュのラケットのかつぎがかなり早い。(相当に意識しているものと考える)やはり4本ミスでコート1周 メニュー終了後「ありがとうございました」 集合

 

○後衛3本打ち 

 1、短いボール
 2、前に出た後衛に対してシュートボール、後衛はローボレー。
 3、長いロブ      

「考えられる目的と効果」
 後衛が攻められやすい点の強化。後衛にも体勢がきつい場面でローボレーをさせる。 

 

○前衛ボレー 

交互に出てボレーを行う。目的:一年生などはほっておくとネットから離れてボレーをしてしまう。このため椅子を使いコースを制限する。斜めに出る意識。○サーブ練習 サービスエリアの相手のバックになる側の4すみに12リットル入りの醤油の缶を置く。ダブルフォルトをすると自主的にコート周りを全力で走る。

 

○練習終了後 

「ランニング」足を合わせる。コートの周りを1周後、声を出して4周 足をそろえる目的:リズム感のため。一体感のため。体操:全員で輪を作り中心に指示者が入る。全員で数を数える。 脚の屈伸・・伸脚・・前後屈・・側屈・・アキレス腱・・膝まわし・・膝入れ球拾い、後かたづけ、ノート回収、コート整備後、集合し終了。(8:12)

 

○雨天時の朝練習 

 同じ時間に学校に来て、群女体操などのトレーニングをする。(学校の廊下がすごく長く、鍵がないのでいつでも使える)塩田の旗に書いてある言葉は「自主快活」です。この言葉どおり、自主的に元気にやっていました。 

 

○質問と解答 質問=竹内先生 

Q、なぜ塩田の生徒はこんなに一生懸命やるのですか?

A、そういうもんだとおもっているんじゃないですか。(柄沢T)

A、自分で入った部活だから(部長:成沢さん、この日は脚をけがしていて見学だが来て  いた) 

ここまでもっていくことはたいへんだったらしい。柄沢先生が最初に塩田に来たときは部員のほとんどはコート脇にすわっていたそうだ。最初に当たり前にいい雰囲気を新入部員に知らせることが出来ると良い。

 

Q、なんで選手以外の生徒も一生懸命応援するのですか?

A、みんな一緒にやってきた仲間だから。(成沢さん)

Q、ノートについて教えて下さい。

A、練習についてと反省が書いてある。朝回収し、午後練習時に再び配布する。

Q,練習メニューについて教えて下さい。(成沢さん)

A、先生がいない時は、いままでの先輩がやってきたことを参考に考える。先生が来てからは指示にしたがう。(成沢さん)

Q、練習内容はいつ知る?

A、練習時に知る。

Q、声を出してランニングしている子に「なんで走っているの?」

A、試合に負けたから。「誰かに言われたの?」 自分で考えて。 

 

○午後練習編

 練習場所:HIOKI電機コート(学校から3KM、ハード4面ナイター付き)

 ・生徒の移動方法・・学校から道具をかついで全員走って移動。

 ・1番早く来た生徒は3:25頃、終会終了3:05

 練習の準備は早く来た生徒が鍵を取りに行く。鍵が開くと一斉に走って(ものすごい早さ)で準備を始める。集合がかかったのは3:50頃。それまでは、各ペアで練習(サーブやレシーブや乱打)

その後 ゲーム(7G)

「ボールおくります」「ありがとうございます」の声がすごく大きい。

基本練習は終わっているので、午後は毎日のようにゲームを行う。

 4面中ABコートには1〜5番手がCDコートにはその他のペアが入る。

 

「気付いた点」

 ・サービスゲームも前衛はすぐに前に出る

 ・とても切れるアンダーカットを使うものが多い。

 ・レシーブが短くて困ることがないですか?という質問に、柄沢先生は「意識していれば大丈夫という」ようなことをおっしゃっていた。

 ・バックのハイボレーがうまい。

 ・カットのレシーブを使う。

 ・声を出してランニング。・・負けた生徒は自主的に行っていた。

 ・厳しいコースのボレーがうまい。

 ・コートに置いてあるカバンがきちんと1列に並んでいた。

 

 3年生の元部長の山下さんが2年生を集めて指導していた。

 「主な内容」

 ・1本きめる気持ちの大切さ。

 ・積極性が欠けていることを指摘

 ・強気になることの重要性

 ・下にいる分がんばらないとあがれない。

以上のことを本当に真剣にかなりの時間にわたり指導していた。

 

○練習後半には以下のような練習になった。

 

 

 球だしはどちらに打つかわからない

 Aは、後衛がストレートに打つ。

 前衛は前進して球の位置によりポジションを取り、ボレー。Aのパターンではボレー後ボールをつなげる。

 

 Bは後衛がクロスに打つ。前衛はこれをボレーで止める。

 

ボレーはやはりクロスストレート、ストレートクロスが基本である。自分の後衛の打ったボールが短い場合は、あけて自分の所に打たせる。(ボールの長さで立つ位置を変える。

 

 総合考察

 ・生徒がきちんとしているが、やらされていない。(自主的である)

 ・向上心を持ち自己に厳しい。

 ・生徒が自分の向上に対して喜びを感じている。(自主的に細かいことに気がつくことができるなど)

 ・柄沢先生を中心にしっかりしたチームづくりがなされ、きわめて団結力の強いチームである。